高温、高湿、高汚染といった硫黄ガス濃度の高い環境において、各種硫黄化合物が空気に分散され、これらの硫黄化合物が電子製品の金属表面に吸着し、ゆっくりと金属硫化が形成されます。通常、抵抗器などの電子部品は銀を使用しています。しかし、長時間にわたり硫化物と接触すると、電極部の硫化により抵抗値が異常となり、SSD製品の信頼性が低下します。
厚膜チップ抵抗器の内部電極には、銀(Ag)が使用されており、硫黄成分を含む気体が保護膜とメッキ層の隙間から侵入すると、下図の反応(写真参照)のように、徐々に硫化銀(Ag2S)が発生します。また内部の電極によりショートが発生し、故障となります。このような現象は硫化により引き起こされる「ショート」です。
ますます深刻となる環境汚染に伴い、産業機器、電力システム、ネットワークアプリケーション、及び高硫黄含有環境にある屋外電子機器など、硫化防止技術アプリケーションもより幅広いものとなっています。硫化銀により引き起こされるショートを回避し、モジュールの正常な動作を確保するために、ADATAは産業用硫化防止SSD製品を発売しました。当該製品に採用されている硫化防止部品は信頼性試験項目の硫化試験に合格しています。また、高温(105℃)、高湿(91~93%)の硫化環境において、45日以上の連続テストを行い、硫化防止のASTM B809-95仕様に合致することが確認されています。これにより、硫化防止部品は硫黄を含む過酷な環境下において正常に作動し、産業機器の安定性と耐久性における厳格な要件を満たしています。
ADATAの硫化防止技術は、NANDフラッシュ製品とDRAMモジュール製品が硫化されることを完全に防ぐことができ、高含硫環境下において、あらゆる種類の用途に対し信頼性が高く頑丈な製品を提供します。
正常な抵抗器が含硫雰囲気(H2S)下にあると、絶縁体の一種である硫化銀(Ag2S)が導体上部(Ag)に生成され、断線が発生します。
上部導体として抗硫化材料を使用することにより、硫化が防止されます。